2021年、パブリッシャーがデジタルメディアで進む道(2020/1/15)

Jan 29, 2021 5:16 PM (GMT+9)

こんにちは。キメラです。このnoteは弊社のニュースレターで過去に配信した記事を再編集したアーカイブです。ニュースレターではパブリッシャーの方々に向けて国内外の注目ニュースをご紹介するほか、キメラの最新動向を隔週でお届けしています。最新号を受け取りたい方は、ここから登録できます。

新型コロナウイルスワクチンの供給が始まり収束に向けわずかな光が差し込むなか、2021年が明けました。感染予防に伴う生活様式の変化は、読者のメディアへの向き合いかたにも影響してきます。2021年はメディア業界に変革がより求められるのは間違いないでしょう。

新年最初のニュースレターは、英オックスフォード大学ロイタージャーナリズム研究所が2021年1月7日に公開した「ジャーナリズムとメディア、技術のトレンド・予測」レポート」を特集します。

サブスクリプションは広告より重要な収益源

43か国のパブリッシャーで上級職に就く234人の調査データを交えた1万単語以上に及ぶこのレポートでも、サブスクリプションの重要性は大きく取り上げられています。調査対象者の76%がサブスクリプションがディスプレイ広告とネイティブ広告より重要な収益源になると回答し、この比率は2018年の調査と真逆の割合に。2年で業界の認識がひっくり返ったことになります。

サブスクリプションの話題ではそのほかにも、以下の話題が挙げられています。

・Zuoraによると、出版系メディアはNetflixなど動画配信サービスに次いで2番目に急成長している領域。ニュース全体の平均サブスクリプション契約数は、2020年3月から5月までを比較すると、前年よりも約110%増加。 ・ポルトガルのパブリッシャーCEOは「デジタルサブスクリプションの数は昨年50%以上増加し(2021年には) 25%から30%の増加を期待する」と語る。 ・ただ、多くのパブリッシャーにとって、デジタルサブスクリプションは紙媒体の大幅減少、紙とデジタルの広告収益を補うにの十分ではない。

eコマースとイベントをサブスクリプションの次に重視

しかしサブスクリプションに頼るだけでは生き残りは難しい見方が多くなっています。調査対象者の多くが、持続可能な独立したメディアには、複数の収入源によってサポートされる異なるアプローチが必要であると回答しています。収益源としてイベントと並んで挙げられるeコマースは、2021年もこれまでとは違ったアプローチが増えていきそうです。

・GroupMによるとパブリッシャーは2021年に小売業者のように見え始めるという。 ・Wirecutterなどのレビューサイトが、アフィリエイト収益で成功。 ・貴重なファーストパーティデータを収集できる追加メリットがある。 ・BuzzFeedは独自のブランド料理製品や、ジェネレーションZとミレニアル世代を対象とした健康・アダルトグッズ分野をローンチ。

先進的なパブリッシャーが実施している事業を、みなさんがすべて真似る必要はありませんが、ポイントとなるのは「コンテンツそのもの」「収益源をこれにする」ではなく「コンテンツを軸としたプロダクト」という視点です。自社が持つ資産と強みを生かしつつ社内変革を進め、読者に役立つプロダクトを試行錯誤しながら立ち上げ、改善していく。社会情勢が激変している2021年だからこそ、地道なのチャレンジから果実が得られるときはやってくるはずです。

ほかにもレポートではこれらのテーマにも言及しています。

・ジャーナリズムの公共性と客観性 ・プロダクト・マネージャーが重要な役割を担う ・音声が収益をもたらす市場として拡大 ・ニュースレターが有料会員の解約を防く ・プラットフォームがパブリッシャーにコンテンツ利用料を支払う