直接関係を築くパブリッシャーが未来を手にする。 つながりを自らのものにしなければ、ビジネスも手にできない。
2025.11.18(Arc XP/原文)
- From Audience 1.0 to Audience 3.0
- オーディエンス3.0に必要なもの
- 1. テキスト中心コンテンツからの脱却
- 2. オーディエンスを自社所有する
- 3. コンテンツを事業資産として扱う
- 4. AIを脅威ではなく武器として活用せよ
- 成長を加速するプラットフォームへの道
- レンタルをやめ、所有をはじめよう
メディア企業は数十年にわたり同じゲームを繰り返してきた。いいコンテンツを作り、できるだけ多くの人に届け、広告で収益を得る。しかし、このゲームは終わった。
ダイレクトトラフィックと検索トラフィックは急減している。とくに若年層で顕著だ。ミレニアル世代とZ世代のニュースサイト訪問率は、10年前の半分以下に落ち込んでいる。AIチャットボットがクエリを奪い、サイトへユーザーを流さない。TikTokのようなソーシャルプラットフォームはディスカバリーの概念を再定義し、「情報豊か」で「魅力的」なコンテンツの新たな基準を打ち立てている。
シンプルに言えば、視聴者は去り、広告収入は不安定で、旧来のメディア戦略は機能しなくなっている。
From Audience 1.0 to Audience 3.0
オーディエンス1.0から3.0へ
Arc XPはいまこの時を危機ではなく進化と捉えている。オーディエンスは変化しており、メディアリーダーもそれに合わせて変化しなければならない。
- オーディエンス1.0は一対多だった。印刷物と放送が主流で、あなたが発信し、彼らが消費する構造だった。
- オーディエンス2.0は双方向性をもたらした。エンゲージメント指標、ソーシャルメディア最適化、ユーザーフィードバックループが、何をどう報道するかに影響した。
- オーディエンス3.0は一対一だ。ハイパーパーソナライゼーションが標準となる。消費者は自身のニーズに合わせたコンテンツと体験を期待する。彼らは受動的な読者ではない。共創者であり、インフルエンサーであり、物語の所有者である。
オーディエンス1.0や2.0の手法に固執することは敗北を意味する。勝利する企業はオーディエンス3.0を受け入れ、大規模な直接的かつパーソナライズされた関係を構築するだろう。
オーディエンス3.0に必要なもの
オーディエンス3.0の本質は「コンテンツ量」ではない。価値あるコンテンツの創出と、メディア事業の運営方法そのものの再考である。メディアリーダーの繁栄に必要なことを挙げる。
1. テキスト中心コンテンツからの脱却
AIやアグリゲーターが瞬時に記事を複製できるなら、それは価値がない。テキストだけでは生き残れない。マルチメディア、インタラクティブ、透明性のあるストーリーテリングこそが唯一の道だ。クリエイターがニュースを視聴者が求めるTikTokサイズの体験に変えられるなら、メディア企業にできないはずがない。
2. オーディエンスを自社所有する
プラットフォームから流通を借りるのをやめよ。SEOハックやソーシャルアルゴリズムは信頼できない。アプリ、会員制、ニュースレター、コミュニティを通じて直接関係を築くパブリッシャーが未来を手にする。つながりを自らのものにしなければ、ビジネスも手にできない。
3. コンテンツを事業資産として扱う
すべてのコンテンツは収益戦略と連動せねばならない。サブスクリプション、イベント、コマース、パートナーシップ——持続的成長に結びつかないコンテンツはROIのない経費だ。収益性はもはや副産物ではない。それが戦略そのものである。
4. AIを脅威ではなく武器として活用せよ
AIは単なるツールではない。適応できないメディア企業はAIに取って代わられる。勝者はAIを活用して二次コンテンツの自動化、パーソナライゼーションの拡大を実現し、編集チームを人間にしかできない本質的な業務——真に重要な力強いストーリーの発掘と解釈——に集中させる。
成長を加速するプラットフォームへの道
従来のCMSではもはや不十分だ。効率的なコンテンツ管理は最低条件に過ぎない。オーディエンス3.0時代には、以下の機能を備えたプラットフォームが求められる:
- チャネル横断的なハイパーパーソナライゼーションの実現
- マルチモーダルコンテンツ(テキスト・音声・動画・インタラクティブ)のサポート
- パブリッシャーがオーディエンスデータと関係性を完全に所有できる権限
- 市場の変動に応じて新たな体験と収益源を立ち上げる柔軟性
レンタルをやめ、所有をはじめよう
メディアの未来は、最大手ブランドや最大リーチを持つ企業のものではありません。オーディエンスとの関係を所有し、それを基盤に持続可能なビジネスを構築する企業のものである。
オーディエンス3.0は既に到来している。残された唯一の問いは:あなたは先導する準備ができているのか、それとも取り残されるのか、だ。
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