キメラのサブスク相談室 #03 / Text: Akiko Nakayama
この「キメラのサブスク相談室」では、よくお聞きするサブスクリプション事業の課題に一問一答形式でお答えします。みなさんのお悩み解消の入り口として役立てていただければ幸いです。
今回のご相談
Q. 売れるサブスクリプション商品や購読プランをつくるために、何をしたらいいでしょうか.
新たにサブスクリプション事業の立ち上げを検討しています。手始めに他社の事例を収集しているのですが、提供する商品の内容や購読プランがいろいろあって悩んでしまいます。どうやって商品設計をすればいいのでしょうか? また、売れる商品や購読プランをつくるためのコツはあるのでしょうか?
ひとくちにサブスクリプションの商品設計といっても、実際に読者がプランを購読できる状態になるまでにはいくつかのステップがあります。
A. 商品の内容や購読プランの前に考えるべきことがある
上図のように、そのステップは大きく、戦略と戦術に分けることができます。特に重要なのは、戦略づくりを入念に行うことです。御社にどんな強みがあるのか、サブスクリプションサービスを通じてどんなユーザーに価値を届けたいのか、徹底的に議論することからはじめましょう。
商品の提供内容や価格設定などの戦術づくりからはじめたくなるものですが、そこには落とし穴があります。戦略がないままでは「商品の内容には◯◯と✗✗を含めたい」「こんなプランなら売れるはずだ」などと視野の狭い議論に陥りやすく、サブスクリプションサービスそのものの方向性や、ユーザーが何を求めているのかが置き去りになりがちです。
結果として「手が込んでいるけれど魅力を感じない」「すごそうだけれど誰も求めていない」残念なサービスが生まれるリスクが高まってしまうのです。事業の方向性を見失ったサービスがユーザーに支持されることはありません。戦略づくりの段階ではプロジェクトが前進している実感を得づらいかもしれませんが、「急がば回れ」で足固めを入念に行いましょう。
「必ず売れる商品」は存在しない。小さく生んで大きく育てることが大切
戦術の最終ステップにあたる「④商品/購読プラン/販路」については、サービスを開始した後にも軌道修正を加えやすい要素です。提供価値を明確にしたうえで小規模にサービスを開始し、売れ行きやユーザーの声を参考にしながら改善を重ねる「小さく生んで、大きく育てる」手法も検討しましょう。
以下に示すように、国内で近年スタートしたサブスクリプションサービスは積極的な改善を続けています。
週刊文春 電子版
2021年3月のサービス開始当初は月額プランのみを提供。2021年6月には「年間プラン」、「電子版+雑誌プラン」「法人プラン」を相次いでスタートしました。購読者のニーズをふまえたうえで、柔軟なプラン提供に踏み切っている。
WIRED [日本版]
2019年10月のサービス開始当初は有料版のすべての記事にペイウォール(有料課金を促すコンテンツウォール)を導入していたが、2022年4月からは一定本数の記事を閲覧するとペイウォールが出現する方式に変更。多くの読者に有料記事を届けることでユーザーの裾野を広げようとしている。
どんなに入念な下調べや仮説立案をしたとしても、初めから売れる保証のある商品をつくることは不可能です。ユーザーのニーズや事業環境が目まぐるしく変化する今の時代は、戦略をしっかりと持ったうえで、戦術を柔軟に変化させていくことが望ましいでしょう。
小さく生んで大きく育てるサブスクリプションを実現できる「AE」
当社が提供するサブスクリプション基盤「AE(エーイー)」は初期費用無料、記事1本単位から手軽に有料課金を実装できます。かんたんに操作できる管理画面で、プランの価格設定や訴求内容の作成・編集も思いのまま。今回ご紹介した「小さく生んで大きく育てる」事業づくりを応援します。サブスクリプション導入検討のご相談も承っていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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