そのサブスクは「破滅への道」かも。失敗を避ける4つのポイント

Jan 8, 2021 11:37 AM (GMT+9)

こんにちは、株式会社キメラと申します。私たちはパブリッシャー(出版社・新聞社・放送局)に対し、メディアビジネスをグロースするための課題解決やデジタル化をご支援しているスタートアップです。2019年1月に活動を始めて以来、国内50を超えるメディアにサービスを提供しています。

デジタルメディアのサブスクリプションは、少額の購読料を積み上げて長期的に大きな収益を生み出すビジネスモデルです。すぐに莫大な収益を得られる「魔法の杖」ではありません。むしろ、購読者が定着せず収益性を保てなかったり、かえってメディアのブランドを損なったりするリスクさえあります。

御社が導入しようとしているサブスクリプションは、そんな「破滅の道」を歩んでいませんか? 失敗を避けるためのポイントを解説します。

1. 見切り発車は「遭難」まっしぐら

前述の通り、サブスクリプションのビジネスモデルは一攫千金の「魔法の杖」ではありません。事業の方向性があいまいで、プランのない状態のまま事業を成功させるのは至難の業でしょう。「とりあえず始めよう」「コンテンツが充実していれば読者が集まるだろう」という見切り発車は危険です。まずはデジタルメディアの方向性を定め、事業計画を立ててみることから始めましょう。

以下の記事では、事業の方向性を定めるために必要なことを解説しています。

まず「登山計画」から。サブスクリプション事業計画ことはじめ【前編】

具体的な事業計画の立て方については、以下の記事で解説しています。

KGIとKPIはこれでOK。サブスクリプション事業計画ことはじめ【後編】

2. ツールありきの「これさえあれば」は赤信号

上述の「見切り発車」に並んで、ツールへの期待が大きすぎてビジネス設計や施策の検証が置き去りになってしまうのも、よくある危険な予兆です。

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サブスクリプション導入ツールを使えば……。 機械学習のレコメンドエンジンを導入すれば……。 分析ツールを導入すれば……。 ウェブサイトやCMSをリニューアルすれば……。

サブスクリプションが「これさえあれば儲かる」魔法の杖ではないように、「これさえあれば購読者が増える」魔法のツールも存在しません。また、自社の事業規模や運用体制にそぐわないツール導入は、かえって赤字を生む原因になりえます。どんなに優れたツールやテクノロジーもあくまで手段であり、導入にはメリット・デメリットの両面があることを心に留めましょう。

以下の記事では主要なサブスクリプション導入方法と、メリット・デメリットを紹介しています。ぜひ参考にしてください。

自社開発? それともSaaS? メディアがサブスクリプションを導入する方法とは

3. 誰が何をどう決めるか、決まっていますか?

デジタルメディアのサブスクリプションは購読者の獲得と解約防止の両面に取り組む必要があり、そのためには「実行→検証→改善」をスピーディーに行うことが不可欠です。社内の体制が改善のサイクルを足止めしていませんか?

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・部門間の調整に時間がかかる ・事業方針がいつまでも決まらない ・施策が行きあたりばったりで、始めどきも引き際も分からない ・予算調整して動き出せるのは半年先

という課題の原因は、意思決定のフローが不明瞭なことにあります。「事業」「コンテンツ」「運用」それぞれの責任者を明確にして、適切な権限を与えましょう。

組織づくりのポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。

事業成長は強い組織から。パブリッシャーのデジタル組織づくりの3ステップ
デジタル組織のモヤモヤを解消。チームの「神経伝達回路」を整えよう

4. 安売りより高い代償はない

購読者を惹きつけようと、価格設定を安くしすぎるのは考えものです。一度設定したサービス価格を引き上げるのは困難を極めます。事業として収益を生むことを考えれば、コンテンツ制作・メディア運用・マーケティングにかかるコストを回収できる値付けが大前提です。他社の事例をなぞるのではなく、事業計画を引いた上で、自社にとって妥当性のある価格を設定しましょう。

また、「長い無料期間」「割引キャンペーンの乱発」も、むしろ購読者の離脱を生んでしまいます。近年の失敗例として、巨額の調達に成功しながら短命に終わった動画サブスクリプションサービス「Quibi」が挙げられます。Quibiは3ヶ月間もの無料期間を設定していましたが、ユーザーの92%は有料継続に至らず離脱してしまいました。

動画サブスクQuibiの失敗に学ぶ(2020/11/5)

「安いから」「無料だから」と集まった読者は、果たしてあなたのメディアに愛着を持ってくれるでしょうか? 価格競争の世界ではなく、値段に対して納得できる価値を提供することに比重を置きましょう。

学ぶべきは「非凡な成功」よりも「再現性ある失敗」

小説『アンナ・カレーニナ』の一節には、「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」という言葉があります。

事業運営は、まさにその逆と言えるでしょう。成功の形や要因はさまざまで、他社が真似をしても同じような成果が得られるとは限りません。一方、失敗のパターンは似通っているものです。非凡な成功をなぞるより、再現性のある失敗を起こさないよう心がけることが近道です。

特にデジタルメディアのサブスクリプションは世界でも成功事例はまだまだ少なく、各社が「走りながら考えている」状態です。自社ならではの成功を掴むために、失敗に学びましょう。

今回のブログは以上です!

少しでも皆様のお悩みを解決するヒントになれば幸いです。今後も、パブリッシャービジネスに役立つ知見や事例をご紹介していきます。

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