by JACK NEARY(原文) @August 10, 2023
ウェブサイトの回遊率とロイヤルティ(訪問頻度)は明らかに関連しています。訪問者があなたのウェブサイトを深く読み込むほど、再訪する可能性は高くなります。訪問者をサイトにとどめ、興味を持ち続けてもらうためには、さまざまなカテゴリやトピックがどのように読まれているか、また、どのようなコンテンツがページ内を回遊するクリックを促す可能性が最も高いかを理解することが重要です。
さまざまなニュースカテゴリ間の繋がりをより深く理解するため、当社のデータサイエンスチームは、最近30日間にニュース・メディアサイトを訪れた10億人以上の訪問者の行動を分析しました。IPTC(国際新聞電気通信評議会)が定めた分類法のカテゴリ別に記事を分類するためにChartbeat独自の機械学習アルゴリズムを使用し、流入経路、デバイス、訪問頻度などの要因が、読まれるカテゴリの量や種類にどのように影響するか分析できました。以下に、その結果をご紹介します。
ほとんどの訪問者は1〜2カテゴリを閲覧する
Chartbeatのネットワーク上にあるニュース・メディアサイトの訪問者を1ヶ月間分析した結果、70%以上が1~2カテゴリの記事を読んでいるのに対し、3つ以上のカテゴリにまたがって記事を読んでいるのは29%に過ぎないことがわかりました。セッションレベルで調べると、訪問者の平均セッションは4回で、1回の訪問あたり平均1.3カテゴリを読んでいました。
ニュース・メディアサイトで最も人気のあるカテゴリは「犯罪・法律・司法」です。複数のカテゴリをまたいで閲覧している訪問者にとって、最も人気があったのは「犯罪・法律、司法」と 「経済・ビジネス・金融」の組み合わせです。次に人気があるのは、「犯罪・法律・司法」と「災害・事件・事故」の組み合わせでした。
流入経路はカテゴリ数にどう影響するか?
ネットワーク全体での調査に加え、流入経路が読まれるカテゴリ数にどのように影響するのかも調べました。すべての流入経路において、やはり訪問者の大多数が1〜2カテゴリの記事を閲覧していることがわかりました。
この傾向は「Search(検索エンジン)」経由で最も強く、69%の訪問者が1つのカテゴリだけを閲覧しています。この傾向は「コンテンツにどこで接触したかによって、読者は異なる記事を選択する」というこれまでの調査結果を補強するものです。検索エンジン経由の訪問者は、事実に基づいたタイムリーな情報のストーリーに惹かれるため、当初の関心を満たしたあとに他のカテゴリーに移動する可能性は低いと考えられます。
一方で、1つ以上のカテゴリにまたがって記事を読む可能性が最も高いのは、ニュースアグリゲーターのような「External(外部リンク)」経由の訪問者です。訪問者の41%が1つのカテゴリを、59%が2つ以上のカテゴリを読んでいることがわかりました。
デバイスの種類はカテゴリ数にどう影響するか?
デバイスの種類別に訪問のカテゴリ数を調べると、モバイル、デスクトップ、タブレットのいずれであっても、訪問者の60%以上が1~2カテゴリーのニュースを読んでいることがわかります。デスクトップとタブレットの読者は、3カテゴリ以上の読者の割合が同程度(それぞれ33%と34%)で、どちらもモバイルの読者の29%を上回る結果となりました。
ロイヤルティ(訪問頻度)はカテゴリ数にどう影響するか?
読まれるカテゴリ数を訪問頻度ごとに分類すると、新規訪問者とロイヤルティの高い訪問者とでは正反対の傾向がみられました。新規訪問者の83%が1つのカテゴリにとどまるのに対し、ロイヤルティの高い訪問者の73%は3つ以上のカテゴリにまたがって記事を読んでいます。
これまでの調査によると、ロイヤルティ(訪問頻度)の高い読者は、数こそ少ないものの、新規読者の約2.5倍のコンテンツを消費することがわかっています。彼らがお気に入りのサイトでいろいろなカテゴリやトピックの記事を読んでいることは明らかでしょう。人気の「犯罪・法律・司法」カテゴリに加えて、「健康」「芸術・文化・娯楽・メディア」「ヒューマン・インタレスト(三面記事的な、人に対する興味をそそる話題)」も人気です。
調査のポイント
ひと月あたり、サイト訪問者は70%以上が2つ以下のカテゴリで、さらにそのうちの40%は1つのカテゴリでしか記事を読みません。 これは、一般的な読者においては、まったく違うカテゴリの人気記事よりも、同じカテゴリ内の記事に回遊する可能性が高いことを意味しています。
ニュース・メディアサイトにおいて、訪問者数が最も多いカテゴリは「犯罪・法律・司法」です。最もよくある組み合わせは「犯罪・法律・司法」と 「経済・ビジネス・金融」です。
ロイヤルティ(訪問頻度)の高い読者は、新規読者や再訪問の読者よりも複数カテゴリにまたがって記事を読む傾向にあります。ロイヤルティの高い訪問者の73%が、ひと月あたり3つ以上のカテゴリにまたがって記事を読んでおり、関連記事といった彼らにおすすめするコンテンツには多様性が求められます。
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Chartbeat(チャートビート)は世界中の何千ものパブリッシャーから信頼されている、業界をリードするエンゲージメント分析プラットフォーム。デジタルメディアのコンテンツがどう読まれたのかを分析できる。
The New York Times、The Washington Post、Netflix、CNNなど、世界70カ国・6万を超えるメディアで導入され、日本では日本総代理店として株式会社キメラがパブリッシャーへChartbeatの提供とサポートを実施している。もっと詳しく
Chartbeatの特徴
- パブリッシャーのエディトリアルメディアのために作られている
- 「どのくらい多く読まれたか」だけでなく、「どんな文脈で読まれたか」「どれほど熱心に読まれたか」を分析できる
- 瞬間的なバズや炎上によるPV増だけでなく、読者が定着しているコンテンツを発見・評価できる
- リアルタイムで読者の反応を分析することで、トップページや記事一覧を効率よく編成できる
- Google DiscoverおよびYahoo!ニュースからのリアルタイム流入計測に対応している